今は大抵の病院に行っても肘のところにカフをかけちゃえば自動で血圧を測ってくれる便利な血圧計
sphygmomanometer があります。が、未だに古いタイプ、つまり手動でやるお医者さんもいます。
自分のドクターであるDr. Tuttleがその一人。手動でずっとやってきたし、エラーが起こるかもしれない自動のタイプより自分は手動が確実だと思う。って言ってました。
患者の血圧を測らせてもらったことがあるのですが、その時に色々とアドバイスをもらいました。
ので、その血圧の取り方をまとめてみようかと思います。
まず、使うのは聴診器と血圧計
(stethoscope and a sphygmomanometer)。 こんな感じの奴です↓おそらくたいていの人が見たことあるのではと思います。
大抵のアメリカ人はBlood Pressure Cuffと言いますが。。
カフと呼ばれるパットを二の腕の下の方、肘より上の部分に巻きます。
聴診器は、カフを巻いたすぐした、肘の表側にあるBrachial arteryへ(Cubital fossa)へ。
順序として、
まず確認である程度プレッシャーをかけるとドクン、ドクンと音が聞こえてくるはずです。
後で説明しますが、これが所謂Korotkoff sounds(コロトコフ音かな?)
この音が聞こえる+水銀計のメモリがしっかり動いているのを確認して血圧測定を始めます。
まずカフ圧をコロトコフ音が聞こえなくなるレベルまでもっていきます(音が完全に消えるポイントを余裕をもって超えるレベル)
資料によっては200まで上げるとか、160mmg(millimeters of mercury)まででいいとかありますが、コロトコフ音が消えたなーって思ってからもうちょい上げる位のが僕の感覚でしょうか。
うちのドクターは200近くまで本当に短い時間ですが上げていました。理由を聞くと、元々高血圧で来院する患者などは疑っている人は上の血圧が予想外に高い事も考えられるから、最初は結構高めにあげるんだって言っていました。
血圧を測る上での三つの重要なフェーズ。
①カフ圧を上げて聴診器から何も聞こえてこない状態。
これは、カフの圧力で血圧を完全に遮断している状態です。水まきのホースの途中を踏んづけて完全に流れないようにしているイメージですね。
②ある程度カフ圧を下げることで、音が聴診器から聞こえてくるフェーズ。この音をKorotkoff soundと言います。その正体は後述
③さらにカフ圧を下げることで、再び何も聞こえなくなるポイント
手順として、
①のフェーズで音が聞こえないのを確認した後カフの圧力を少しずつ下げていきます。
慎重に下げていくとあるポイントで音が聞こえてきます、この最初の音が聞こえたポイント、これがsystolic blood pressure(収縮時血圧)。つまり心臓が収縮した際に全身に送られていく際の血圧です。俗に言われる「上」の血圧。
では何でこのKorotkoff音が聞こえてくるのか。
①での説明の通り、血管のホースは①では完全に遮断されていて、その先のポイントでは何も聞こえてこない状態です。しかし、カフの圧を下げることで、僅かな隙間を通って血液が漏れ出て行きます。ホースを踏んづけている足の圧力を弱めると少しずつ漏れていきますよね。それと同じイメージです。
押さえつけている圧が、心臓収縮時の圧よりも低くなると、収縮する度に一部の血流が押さえつけているポイントを超えて流れていきますよね。しかし以前押さえつけていることには変わりないので血流がスムーズに流れず、血流達が動脈内でturbulence (乱流)を起こします。これがKorotkoff soundsの正体。
つまり
心臓が収縮する事で送り出そうとするパワー(収縮時血圧)>血管ホースを踏んづけてこれ以上血液を先には進めないぞとするパワー
はが①の状態(心臓収縮時よりも強い力でホースを抑えているので、完全シャットの状態です。何も聞こえません
心臓が収縮する事で送り出そうとするパワー(収縮時血圧)
= 血管ホースを踏んづけてこれ以上血液を先には進めないぞとするパワー
になったポイントが収縮時血圧であるといえます。
このポイントから
心臓が収縮する事で送り出そうとするパワー(収縮時血圧)
> 血管ホースを踏んづけてこれ以上血液を先には進めないぞとするパワー
に逆転するときのコロトコフ(Korotkoff)音が聞こえ始めます。
これが②のポイント
この②のフレーズは前述のように
心臓収縮時に血液を送り出そうとするパワー、つまり血液を心臓から血液を絞り出すことによって
ホースにかかる圧力>踏んづけている力(カフ圧)
の状態
つまり心臓ががんばって収縮した時の圧力は、押さえつけている力を超えるので、一部の血流が動くことが出来る状態ですね。
②の状態に入ってしばらくまたカフの圧力を下げると、今度はまた何も聞こえてこなくなるポイントがあります。これが拡張期血圧。つまり心臓が拡張して、静脈から血液を心臓に送り込んで収縮の準備をしている状態です。この時動脈の圧力は一番低くなります。
この血管への圧力が一番低くなった状態よりも、カフから血管のホースにかかっている、つまりホースを踏んづける力が弱くなると、血液は妨げられることなく流れていくのです。
つまり
心臓拡張時血圧=押さえつけている圧力 になったときに、血管内で妨げられて暴れていた血流は問題なく流れていくようになります。妨げられるものがなくなる訳ですから、乱流を起こす理由もなく、再び音が無くなる訳です。
このポイントが俗に言う「下」の血圧。つまり
diastolic blood pressures(拡張期血圧) ですね。
まとめると
①ホースの踏みつけ(カフ圧)>収縮時血圧 → No sounds ②収縮時血圧>ホースの踏みつけ(カフ圧)>拡張時血圧 →Korotkoff sounds ③拡張時血圧>ホースの踏みつけ(カフ圧) → No sounds ※ホースの踏みつけ(カフ圧)=収縮時血圧 →のポイントが上の血圧 ※拡張時血圧=ホースの踏みつけ(カフ圧) →のポイントが下の血圧 となります。
20行くらいでまとめようと思ったのに無駄に長くなりました(-_-)
さて、②のフェーズに関して、自分がアドバイスを受けたこと。
コロトコフ(Korotkoff)音の存在については知っていたのですが、このKorotkoff sounds、実は5種類もあるらしーのです。
分類が大切なのではなくて、一番注意しなければならないのはFirst soundとsecond soundの間に何も聞こえなくなるほんの少しのgapが存在するらしいのです。このギャップをAuscultatory gapというらしいです。(聞いたこともなかった)
さらにFalse readingにつながる要素が、
1、First korotkoff soundsははっきりした音ではなく、遮断された血管から血流ががんばって先に進もうとしているレベルなので、あまり多きな音を聴診器で感じない
2,第二相の音ははっきりとした音が聞こえるんだそう。
それに加えて前述の何も聞こえないギャップが存在するとなると、
なかなか聞き取りにくいFirst koroktoff soundsを聞き逃してしまうと、Auscultatory gapをまだ①の状態(カフ圧が収縮時血圧よりも高い)と勘違いして、Auscultatory gapの後にくるはっきり聞こえる次のkoroktoff soundsを収縮時血圧と間違って読むことになり、最大血圧自体を本来よりも
低く見誤ってしまう事 がかなり多いんだそうです。
まだまだ経験が豊富だとは言えませんし、第一と第二の違いも正直はっきり聞き取れません。
精進が必要です。
「俺も二回目で気づくことあるよ。ははは~」なんてドクターが言ってました。はは
はかり方、そのワケなどは簡単にまとめれたかな。 長くなってきたので平均血圧とか、
Hypertension(高血圧), Hypotension(低血圧) の症状や弊害などはまた次回にまとめるとします。
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